日馬富士はアイスピックを握りしめ… 協会が“抹殺”しようとした「貴乃花報告書」の驚くべき内容

貴乃花」が激白! 最凶の横綱「白鵬」の正体(上)

沈黙を貫いてきた貴乃花親方(45)がついに語った。本誌(「週刊新潮」)の直撃に対して心情を吐露したのだが、そんな親方が有力タニマチに明かしたのは、最凶の横綱白鵬(32)の恥部である。2017年の初場所「屈辱の敗北」前日夜、白鵬側近は貴ノ岩に執拗に電話していた――。

「未来に夢や希望を乗せてこれから力士を志す者たちへ学べる角界であるべきと考えています」

――これは本誌が直撃した際に貴乃花親方が漏らした言葉である。果たして、今の角界は夢や希望に満ちていると言えるのか。そんな疑問を投げかけているようにも聞こえるが、以下、貴乃花親方と極めて近しい関係にある人物の証言を元に、暴行事件の背景を浮き彫りにしていく。

12月19日、都内某所で2人の男が貴乃花親方と対面していた。1人は貴乃花親方のタニマチ、もう1人はタニマチの秘書である。

そのタニマチが語る。

「親方はさすがに少し疲れた様子でしたが、“やり抜こう”“戦うぞ”という気迫が感じられました。元の相撲界にもどさなくては、という強い意志もひしひしと伝わってきました」

相撲協会の臨時理事会を翌日に控えたその日、貴乃花親方は今回の事件の一部始終を余すところなく明かした。話の詳細については(下)で後述するとして、今回の暴行事件の背景に存在する最も重要な「事実」に先に触れておきたい。

白鵬の側近が貴ノ岩にかけた電話――。

まだどこにも報じられておらず、相撲協会が出した報告書にも全く記載されていない。しかし、今回の事件の背景を探っていくと、最終的にその事実に行き当たるのだ。

星の話を直感

電話があったのは、暴行事件の9カ月ほど前、2017年1月20日の夜である。初場所の13日目が終わったところで、稀勢の里が1敗で単独首位。それを2敗の白鵬が追うという構図だった。そして、その白鵬の翌日の対戦相手こそ、初顔合わせの貴ノ岩だったのだ。しかもその日、稀勢の里が勝利し、白鵬が貴ノ岩に敗れると、稀勢の里の幕内初優勝が決まってしまう。すなわち、絶対に落とせない一番の前日夜、白鵬の側近は対戦相手の貴ノ岩に電話してきたのだ。

「白鵬の側近からの電話は何度も連続してかかってきた。しかし、貴ノ岩は、“どうせ翌日の星の話だろう”と直感し、電話に出なかった。そのことは当然、貴乃花親方にも報告しています」(先のタニマチ)

結局、翌日、白鵬は貴ノ岩に対して屈辱の惨敗を喫した。そしてそれ以降、貴ノ岩が、

「俺はガチンコで横綱白鵬に勝った」

と、周囲に吹聴するようになり、それが白鵬本人の耳にも入っていたことは本誌既報の通りである。

今回の暴行事件と地下茎で繋がっている「白鵬との因縁」は、もう1つある。

「事件は鳥取巡業中に起こったが、その前に貴乃花親方は巡業部長として白鵬に直接、“巡業中の集まりは禁ずる”と通達していた」

と、タニマチは明かす。

「親方は常々力士たち、特にモンゴル会の力士たちの夜の街での振る舞いについて問題視しており、理事会で意見したこともあった。しかし協会執行部が本気で取り組もうとしないので、モンゴル会のトップである白鵬に直接説教したのです。白鵬は“分かりました。心得ています”という様子だったようですが、夜遊びを禁じられ、本音としては睨み返したい気持ちだったでしょうね」

貴乃花親方がこうした「新事実」をタニマチに明かした翌日行われた臨時理事会で、協会執行部は驚くべき行動に出た。貴乃花親方が事前に提出していた「事情説明」と題する報告書を“無視”しようとしたのである。

「貴乃花親方の報告書の上に、協会が作成した最終報告書が重ねて置かれていました。理事会は協会の危機管理委員会の高野利雄委員長が最終報告書を読み上げる形で進んでいきましたが、それが終盤にさしかかったところでようやく貴乃花親方の報告書に気付いた出席者が多かったようですね」(相撲協会関係者)

言い分を“抹殺”

貴乃花親方の報告書は十数ページの分量。パソコンで打ったと思しき文字が整然と並び、直筆の署名も入っていたという。

「議事は進んでいくものの、いつまでたっても協会執行部は貴乃花親方の報告書に触れようとしない。そんな中、出席者の1人から“貴乃花親方からも文書が出ているが、それはどうなのか。皆さんもう読まれたのですか?”との質問が出た」

と、協会関係者は明かす。

「皆、協会の報告書の方に集中していましたから、当然、誰も読む暇などなかった。すると、八角理事長が時計を見て、“それでは2時15分から2時半までの15分間、読み込みをお願いします”と言ったのです。出席者の1人が貴乃花親方の報告書の存在に言及しなかったら、それに触れずに理事会を終え、貴乃花親方の言い分を“抹殺”しようとしていたのは明らかです」

協会作成の報告書と貴乃花親方が提出した報告書にはそれぞれ、「持ち出し禁止」と書かれたハンコが押され、「○/○」と通し番号まで振られていた。

「そこまで厳重に管理されていたのは、貴乃花親方の報告書が協会にとって都合の悪い内容だったからでしょう。だからこそ、“持ち出し禁止”のハンコを押し、理事会が終わるとその報告書を回収してしまったのです」(同)

相撲協会の策謀によって“幻”と消えた「貴乃花報告書」。そこには一体、何が書かれていたのか。

“診断書は出さなくて良いと協会幹部から…”

「巡業部長としての務めを果たしていないと批判されていることに対しては、“私はきちんとやっている。報告すべきことはFAXなどで報告している”などと書かれています」

そう話すのは、報告書の内容を把握している貴乃花親方の支援者の1人。

「事件について協会に報告しなかったと言われていることについては、“警察から協会に報告してもらうよう頼んだ”と記されている。親方には、事件について協会に報告する意思があったということになります」

貴乃花報告書では、貴ノ岩の症状について〈右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑い〉と記した診断書を作成した済生会福岡総合病院の医師にも言及されている。この医師は、騒動発覚後、相撲協会を通じて〈(貴ノ岩は)重傷ではなかった〉などとするコメントを発表。おかげで診断書の「偽造疑惑」まで囁かれることになったが、

「患者の情報を、第三者である相撲協会に流すのは医師としての倫理に反する行為で、医師法違反に当たるのではないか、と貴乃花親方の報告書には書かれています。また、冬巡業を休場した貴ノ岩の診断書を提出しなかったことについては、“診断書は出さなくて良いと協会幹部から了承をもらっていた”とありました。“違反にあたる行為は何らしていない”と」(同)

無論、貴ノ岩の現状についての記述も貴乃花報告書には登場する。

「英雄である日馬富士を引退に追い込んだ、とモンゴル本国で批判され、悪者にされていることを気に病んでおり、精神的にダメージを受けている、とのことです。ただ、体調については大方回復しつつある、とも記されています」(同)

実際、貴ノ岩のタニマチによると、

「12月23日の夜に久しぶりに貴ノ岩本人と電話で話しましたが、“もうすぐ退院できる”と話していました。ただ、“体力が落ちてしまっています”と心配してもいましたね」

そして、その貴ノ岩が被害者となった肝心の「暴行事件」について、貴乃花親方の報告書には驚くべき記述がある。

日馬富士はアイスピックを握りしめた

「暴行を続ける日馬富士がアイスピックを持った時にようやく白鵬が止めに入った、と書かれているのです」

と、先の支援者が明かす。

「誰だって、ケンカの最中に人が包丁を持ち出してきたら止めるでしょう。それは当たり前のことで、白鵬の行為は“暴行を制止した”とは言えない。だからこそ貴ノ岩は“誰も止めてくれなかった”と感じているわけです」

相撲協会の最終報告書にもアイスピックは登場するが、“持ち出した事実は認められなかった”とされている。前出の貴乃花親方のタニマチによれば、

「私は12月19日の時点で、親方からアイスピックについて聞いていました。“日馬富士はカラオケのリモコンで貴ノ岩を殴っていたが、それが途中で手から落ちてしまった。で、興奮状態にあった日馬富士は近くにあったアイスピックを握りしめた”と……」

では、貴乃花親方がこのタニマチに「告白」した事件の全貌とは如何なるものなのか。後編で順を追って貴乃花親方の証言を紹介していく。

(下)へつづく

「週刊新潮」2018年1月4・11日号 掲載